ヒーリング効果たっぷりのクラシック音楽CD(IT疲れの皆様に)
梅雨に入り寒暖の差が大きくなって、結果的に肉体的にも精神的にも疲れやすい時期になりました。そんなあなたにぴったりな、実体験を基にヒーリング効果が大きいと感じたクラシック音楽を紹介します。IT技術者の皆様はBGMとして是非活用してください!
バッハ:バルティータ1番
バッハはクラヴィーア(昔のピアノのようなもの)に対する曲をたくさん書いています。有名なものでは平均律クラヴィーア曲集、イタリア協奏曲、フランス組曲などが挙げられます。このパルティータもクラヴィーアの曲として作曲されました。パルティータとは「組曲」を意味する言葉で、短い曲が複数あつまって今回紹介するパルティータ1番は構成されています。
このCDは名ハーピスト吉野直子さんの演奏による、ハープ編曲版です。パルティータ1番は明るい曲調なのですが、それがハープの音色と本当にマッチして、聞いていると心の底から安らぐ感じがします。バッハというと、フーガのように小難しいイメージがあるかもしれませんが、この曲は聴きやすいので是非お試し下さい。ハープの音色がきっと心を癒してくれます。
バッハ:ゴルトベルク協奏曲
もう1曲バッハ。この曲は不眠症の人のために作られたというエピソードで非常に有名な曲で、実際不眠症治療のために活用されているとのことです。最初のゆっくりとした長調のテーマがあって、それを発展していきます。最後の締めでもう一度テーマが表れて終わりです。長さが一時間近くもあるので普通の人は聞くと心が落ち着いてだんだん眠たくなるかもしれません。。。めでたし、めでたし。
っが、作曲に興味のある人はこの音楽は驚愕の連続です。一つ一つの変奏が本当に凝っていて、凄いの一言に尽きます。もし可能であれば是非楽譜を見てください。主題があらゆる形(テーマが逆行したりもしている!)に応用されて表れます。音楽に興味のある方は逆に眠れなくなるかも。
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
この曲はモーツァルト晩年の傑作といわれ、小規模ならが心が洗われるような神秘的な響きがします。実際この曲は宗教合唱曲で、主キリストを讃えたフレーズが歌われます。
個人的な意見ですが、この曲は所謂モーツァルト臭さがかなり抜けた曲に感じられます。小さいときにピアノレッスンを受けた人はモーツァルトやベートーベンを聞くのに抵抗がある人が意外と多いのですが、そんな人にも大丈夫です。
曲調はゆっくりとして明るいです。心がイライラしたときに是非聞いてください。きっとリラックスできます。女性アカペラグループ、アンサンブル=プラネタの演奏でどうぞ。
アレグレ:ミゼレーレ
フォーレ:ラシーヌ賛歌
どちらも合唱曲。ミゼレーレは男声アカペラ合唱の傑作で、かのモーツァルトが門外不出のこの曲を記譜したという伝説が残っています。この曲はルネサンス末期~バロック初期というかなり早い年代に作曲されているので、今まで接する機会の多いようなクラシック音楽とは調性がやや違うように感じられるかもしれません。人によってはグレゴリオ聖歌のような印象を持たれると思います。
フォーレは時代的にはロマン派後期に属するフランスの作曲家で、代表作のレクイエムが有名です。弟子として印象派の大家、ラベル(ボレロで有名)がいます。フォーレの曲の特徴として絶妙な和音使い、調性の展開が挙げられ、印象派の先取りとも思えるような曲も書いています。この曲はフォーレの最初期の作品で、明るくとても明快な曲ですが、フォーレの特徴がうっすら表れています。ヒーリング曲の特集として注目されたCDでどうぞ。
フォーレの小品としては、パバーヌもお勧めです。こちらはCMのBGMとして使われたことがあります。
ペルト:鏡の中の鏡
この曲だけ年代的には現代音楽に入るのですが、とても聞きやすいので安心して下さい。歴史的なことを少し説明します。現代音楽は戦中戦後にトータルセリー、12音音楽のようなシスマティックな曲を作ることが流行しました。しかし、それが行き過ぎ、結果的に普通の聴衆から理解しがたい曲が大量生産されることになります。
そこで、現代音楽への揺り戻し運動、すなわち聴衆にダイレクトに訴えかけるような音楽を作ることが少しずつ注目されていきました。ペルトもその一人です。
「鏡の中の鏡」は非常にスローテンポでピアノと旋律楽器(ここではバイオリンなど)による演奏が行われます。ピアノは単純な分散和音を奏でて、その上で旋律音楽がゆったりとしたメロディーを演奏するのですが、そのシンプルさ故、心に直接届くく美しさがあります。眠れないときに是非お聞き下さい。
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どうでしょうか?合唱曲やハープ、パイプオルガン関連のクラシック音楽はヒーリング効果が高いと思われるので、是非自分に合った音楽を探してみてください。
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