« 学術論文とプレゼン資料はWEBで即時公開すべきだ! | トップページ | P2P研究者は全て知っておきたい5つの最新キーワード »

2009.01.11

勉強会とは戦略を実践する場である。

複数の勉強会企画・運営で一番得たものは何かと言われれば、即答で「コネクション」と言うと思う。二番目は「経験」だ。では三番目と言ったら、それはおそらく「戦略」を考えるきっかけとなったことだろう。

勉強会を行うと、主催者としては「参加者や講演者にもっと満足して欲しい。」「もっと参加者を増やしたい。」「この勉強会を多くの人に知ってもらいたい。」と考えるようになる。結果的には、それは勉強会の戦略を策定し、見直すことと同じことである。

特にマーケティング戦略や経営戦略は勉強会戦略に直結する。だからこそ、勉強会を企画、運営する人は絶対に戦略の基礎知識は学んでおくと良い。。特にコトラーやポーターなどの解説書はお勧めだ。数百円で買えるし。古典的な戦略書(たとえば孫子や三略など)も興味深い。

勉強会と具体的な戦略の対応付けは近々書いてみたい。具体的にはイベントのポジショニングやライフタイム、リーダシップの話を書くつもりだ。ただ、時間もスペースも余裕がないので、今日は勉強会の戦略を立てる、見直すために必要と考えている事項を簡単にまとめておく。勉強会運営のPDCAの一部を具体的に書き下したものになる。

1.ゴールを設定すること

主催者は勉強会を企画する際に何らかのゴールを設定すると良いだろう。ゴールとは短期的でも長期的にでも良いが、まずは次の勉強会が終わったときまでの結果を設定してみよう。ゴールとして次のようなものが立てやすい。

☆参加者数
☆懇親会参加者数
☆実際に集まった講師数
☆アンケート結果
☆Blog、Twitter、Mixiの感想エントリー数
☆上記エントリーに対する平均SBMのブックマーク数
☆懇親会等を通じた際のコメント

ゴールを立てることで、その勉強会が客観的にどの程度成功したかを評価しやすい。アンケートやBlogで感想を集めることは、自分以外の意見を集約するために必須と考えている。他の人の意見をもらうことで、自己満足な勉強会運営から脱却できる。ところでアンケートを取ることはよく実践されていることなのだが、アンケートの罠として具体的な意見を書くだけのスペースと時間がないことは、あまり知られていない。だからこそ、アンケートの補完としてのBlog感想を書いてもらうことは重要な意義があると考えている。

ちなみに感想記事を書いたらSBMでブックマークしてもらうことも忘れずに。そのイベントが実施されたことを多くの人に知らせるための最も容易な戦略の一つである。

そして次が重要。

2.勉強会の結果を見直す

設定したゴールと結果がどの程度乖離したかを考える。失敗した場合は自然と原因を考えるものだが、ここでポイントとなることは成功した場合もその原因を考えることである。特にドラッカーが唱えたように予期せぬ成功については慎重に原因を分析すること。成功した場合には、その成功に満足して何も考えない人がいるのだが、これを多くの視点で見直すことが勉強会を更に飛躍するための重要なキーポイントなのだ。

予期せぬ成功とは一体なんだろうか?SBM研究会で例を挙げて説明してみよう。

結果A:第1回SBM研究会では、Twitterを使って感想を書く人が多いことを発見した。後々Twitterを見直すと相当数の人が感想を会場で書いていた人がわかった。

これを見ただけだと、多くの人はギーグなヤツばっかりSBM研究会に参加しているな、で終わってしまうかもしれない。しかしこれで終わってしまったら大変もったいない。

3.仮説を立てる

今、予期せぬ成功「結果A」が発生した。ここでこの「結果A」をうまく次回の研究会につなげることを考えたい。

結果Aについて状況を分解しよう。

状況:B-1:無線LANを会場に用意しなかったのに、Twitterを使っている人が多かった。
状況:B-2:Twitterの利用者は手探りで会場のほかのTwitterユーザを探していた。

となると、次の仮説が成り立つのではないかと考える。

仮説C-1:会場が無線LANを使えればTwitterを使う人がかなり増えるはず。
仮説C-2:もしもTwitterユーザが簡単に感想を投稿できるコミュニティを作れば、もっと意見交流が活発になるはず。

4.次の行動を考える

そこで、仮説C-1、仮説C-2より以下のアクションを考えることになる。

行動D-1:無線LANが利用できる100人以上を会場を確保する。
行動D-2:@sbm2を使って、ここをフォローしたユーザはSBM研究会の感想を簡単に投稿できるようにする。

あとは仮説を実践し、イベント後に検証するだけである。

勉強会が戦略を実践する場として優れているのは以下の4つであると考えている。

1.自ら実践できる。(机上で終わらない。)
2.費用や時間があまりかからない。(ローリスクである。)
3.何度でも実践できる。(トライ&エラーが可能。)
4.コネクションなど得るものが大きい。(ハイリターンである。)

自ら何度でも経験できることで、PDCAサイクルがうまく回る。これによって戦略を自ら経験することができる。このような経験ができる場はマーケティング、広告、経営戦略の部門に配属されない限り、あまりないと思う。あるいは相当の役職に就かない限り。そしてそのような部門や役職にたどり着けるには、容易ではない。

個人的な意見だが、可能であれば勉強会は複数運営したほうが良い。それも、勉強会はそれぞれ特色を持たせたほうが良い。というのは複数の勉強会の運営・企画を通じて、勉強会を客観的に分析ができるからだ。これが、思いっきり学術寄りのDHT勉強会から、ITに興味があれば気軽に参加できるオフィスツアーまでバラエティに富んだイベントを私が企画・運営している理由である。

|

« 学術論文とプレゼン資料はWEBで即時公開すべきだ! | トップページ | P2P研究者は全て知っておきたい5つの最新キーワード »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 勉強会とは戦略を実践する場である。:

« 学術論文とプレゼン資料はWEBで即時公開すべきだ! | トップページ | P2P研究者は全て知っておきたい5つの最新キーワード »