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2009.01.12

P2P研究者は全て知っておきたい5つの最新キーワード

最近FlashのP2P通信対応など、P2Pの応用技術が非常に注目されています。更にP2Pの技術要素もここ数年少しずつ変化しています。ここではP2P研究者は知っておきたい、最新キーワードをやさしく掻い摘んで解説します。

□サーバサイドP2P

歴史的から言うとP2P技術はWinnyやSkypeのように個人の端末のリソースを上手に利用する技術でした。しかし最近、このP2P技術をサーバに応用することが盛んに行われています。これがサーバサイドP2Pと呼ばれる技術です。

サーバサイドP2Pが注目されるきっかけはAmazonやGoogleのような大規模WEBサイトの登場です。超大量な処理を行うためには既存の分散技術だけでは対応できなくなりつつあるのです。特に分散ストレージや分散データーベースにおいてサーバサイドP2Pは活躍します。ここ最近一番P2P界を賑わせているトピックなので、関連論文には目を通した方が良いでしょう。

代表例がAmazonのDynamo、楽天のROMAです。

□P2Pトラフィックの最適化

P2Pシステムは現在も大量のネットワークリソースを消費しています。この消費を抑制するために一部のISPではP2Pトラフィックを独自に絞っています。しかしこの手法では合法的なP2Pシステムにまで影響を与えてしまいます。

そこで考え出されたのが、ノードのネットワーク情報をうまく使ってP2Pトラフィックを最適化することです。具体的な例を示しましょう。今ISP1にノードA,ノードB,ISP2にノードCがあるとします。そしてノードBとノードCはコンテンツPを持っているとします。ここでノードAがコンテンツPが欲しいとしましょう。まず、ノードAはノード情報を管理しているサーバZにコンテンツPを持っているノードを検索するように依頼します。サーバZはノードA~Cのネットワーク情報を用いて、ノードAからネットワーク的に最短であるノードBを回答します。(*これはP2Pトラフィックを最適化をする実現方法の一例です。)

代表的なものがアメリカのP4P、日本のP2Pネットワーク実証実験です。私もこのプロジェクトに関わっています。IETFにおいてもTANA(P2Pが利用するトラスポートプロトコルの議論)、ALTO(ノードのネットワーク情報を管理するサーバとのインターフェース規定の議論)が設立されています。

□WEBブラウザー間P2P通信

WEBブラウザーにプラグインなどをインストールしてWEBブラウザー間でP2P通信を行うことです。FlashがP2P通信を実現したことで一躍注目を浴びました。日本ではbitmediaがJavaアプレットを使ってP2Pライブ配信を行っています。ActiveXでも同様のことが実施できるでしょう。

□IPv4アドレス枯渇

IPv4アドレス枯渇に伴い、P2PシステムはIPv6化する必要が出てくるでしょう。IPv6に対応しているP2P製品として、アリエルのグループウェアが知られています。

一方IPv4を使うユーザにはキャリアグレードNATの影響が懸念されます。P2PシステムはUDP/TCP hole punchingなどのNAT越え技術をインプリする必要があるでしょう。

□P2PSIP

SkypeのようにP2Pを使ってVoIPを行うことを標準化する、IETFのWGです。以前よりは注目度が下火になりましたが、議論を重ねたドキュメントが少しずつリリースされています。P2P技術の課題等がまとまっているので、時間があれば目を通すと良いでしょう。

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如何だったでしょうか?P2Pに関心がある人は、この5つはある程度説明できるぐらいには情報収集すると良いでしょう。







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