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2007年8月の4件の投稿

2007.08.30

書籍執筆に大活躍したプロジェクト管理ツール「trac」

□はじめに

P2P技術入門書を書く上で大変だったのは10人弱もの執筆者の原稿を管理することでした。毎日、あるいは毎時改訂される原稿の差分をチェックしたり、あるいはレビューをすることは、とても大変なことです。

そこで今回活用したのが無料のプロジェクト管理ツール「trac」です。tracのおかげでドキュメント管理やレビューがスムーズに行われ、執筆プロジェクトがデスマーチにならずに済みました。

使ってる? Issue Tracking - trac 楽々ことはじめ

通常、この手のプロジェクト管理ツールはソフトウェア開発の進捗管理・ソースコード管理に使われる事が多いのですが、複数人のドキュメント執筆にも大いに活躍できる例として今回の執筆の状況を説明します。なお、tracの導入を推薦し、実際導入したのはP2P技術入門書執筆者の1人の亀井様であることを書いておきます。

□trac導入前
当初は執筆陣でMLを作り、MLに最新ドキュメントを配布するという手法を取っていました。しかしこの方法には3つの欠点があります。

[欠点1]ドキュメントの差分がわからない
[欠点2]どのドキュメントが最新版だかわからなくなる
[欠点3]ドキュメントを参照しづらい場合がある

欠点1はWordファイルのコメント機能を使えば補えるかもしれません。しかしtxtファイルではコメント機能は使えません。また大量のドキュメントがあると、差分をチェックするのも大変です。

欠点2はMLにコメント等が大量に送信されるとドキュメントが埋もれる場合を指します。またタイトル等によっては最新のドキュメントが検索に引っかからなかったりする場合もあります。

欠点3の要因は大きく分けて2つあります。ひとつはファイルサイズの大きなドキュメントはメールできないこと、もうひとつはメインのメーラーがないパソコン以外からの参照ができないことです。もちろん後者はWebメールを使えば解消できます。

□trac導入後
ではtrac導入後では3つの欠点はどのように解消されたのでしょうか?

[特徴1]ドキュメントの差分が簡単にわかる

tracを導入すると、ドキュメントの差分が発生する度にリビジョン番号が振られます。差分発生毎にリビジョン番号はインクリメントします。2つのリビジョン番号を入力すると、両者のリビジョンの差分が一覧表示されます。さらに過去のリビジョンのドキュメントも参照できます。うっかり変更しすぎたり、削除しても簡単に元に戻せます。

[特徴2]ドキュメントの最新版が一目で分かる

tracにログインすると、最新版のドキュメントリストが一覧で見ることが出来ます。またドキュメントのアップロードや更新に私はIEのプラグインで利用できるTortoiseCVSを利用しました。これならIEを使って最新版を簡単にチェックできます。

ただし、TortoiseCVSはWebDAVを使っているので、社内網からアクセスする場合にはWebプロキシの一部が通過できない場合があります。私の会社ではうまく利用できなかったので、専ら自宅で最新版をチェックする時に利用しました。

[特徴3]インターネットが通じればどこでもチェック可能

tracにはリポジトリブラウザ機能があり、ドキュメントをWeb上からチェックできます。このリポジトリブラウザ機能の優れているところにWordファイルもブラウザ上で表示してくれることにあります。Wordの表もきちんと表示します。(*ただし表示が崩れる場合がありますが。)
残念ながらPowerPointや図入りのWordファイルはリポジトリブラウザから閲覧することができませんでした。なおTortoiseCVSなどを使えば、ファイルサイズが大きいドキュメントも楽々アップロードできます。

□利用後の感想
3つの特徴を説明しましたが、Web上にドキュメントを置く事で複数人によるレビューが同時並行でできたのが一番うれしかったです。やはり複数人の執筆者が居る時にはドキュメント管理は重要です。またwiki機能を使って目次や執筆者肩書き等も管理しました。

コメントについてはドキュメントに書き込む方法もありましたが、結局MLに流す事としました。MLに流す事で全員がコメントを読むことができ、且つコメントに対して執筆者全員でディスカッションできる、素早くレスできるのが理由の一つです。

Tracを使えば簡単にドキュメント管理ができます。複数人、特に4人を超えたドキュメント執筆プロジェクトがあれば、効果は絶大です。結局ドキュメント管理に重要なのはドキュメントとドキュメントのメタデータの集中管理なのです。

 

最後にtracに対する要望を挙げておくと、一番欲しい機能はブラウザ上からファイルの編集が可能である事です。ソースコードと違ってWordやPowerPointでドキュメントを作成していたということもあるのですが、企業用の多くのドキュメントがWordやPowerPointで作成させている現在、なんとか機能として盛り込んで頂きたいものです。

今回はtracの一部機能しか有効活用してなかったので、次回はもっとtracを使い倒したいと思います。

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2007.08.29

私が使ったおすすめ!赤ちゃん用品

4月に娘が生まれてそろそろ4ヶ月になります。楽天やAmazon、赤ちゃん本舗やベビザラスなどで玩具や赤ちゃん用品等を色々と買って使ってみました。あるものは今でも使っていますし、中には一回しか使ってない物もありました。いろいろトライした物でこれはお薦め!というのを紹介します。是非参考にしてみてくださいね。

☆トミー:ベビーブー4WAYジムにへんしんメリー

娘の出産前にAmazonで購入しました。決め手はAmazonでの評判。その名のとおり、色々な形状や用途に変身できるので長く使えるのがウリです。最初はベビーベットの上に立てておいて、音楽に合わせてアクセサリが回転できるようにしました。音楽を掛けると娘が泣き止むから不思議。今では娘がアクセサリを引っ張って遊べるようにしています。柱の部分にもアクセサリが付いていて、回転して遊べるようになっています。アクセサリはディズニーキャラクターでかわいいですよ。

☆Baby Bjorn:ベビーシッター1,2,3:トーイセット

実兄から譲ってもらいました。電気がいらないバウンサー(ゆりかご)です。一般に赤ちゃんは揺らしてあげると泣き止むのですが、このバウンサーは赤ちゃんが動く時にその反動で自然に上下するので、赤ちゃんのぐずりもピタッと止まり、赤ちゃんの負担が少ないようです。ガードもついているので、トイレやお風呂など少し目が離れる時にも利用できて重宝しています。

☆オーボール(O ball)

これは先週ベビザラスで買いました。サッカーボール状の鞠で、ゴムでてきているので、うちでは「フラーレン」と勝手に名付けています。赤ちゃんがなめても大丈夫な素材を使っているのも購入の決め手でした。数ヶ月の赤ちゃんだとそんなに握力がないのですが、ミニタイプだと軽々持ち上げられるので、うちの娘も離さないで遊んでします。お座りができれば、スタンダートモデルの方が良いかもしれません。(今回掲載のモデルはスタンダートモデルです。)

他にも幼児用の学習おもちゃを紹介していますので、ぜひご覧ください。

幼稚園児から始める日本地図・地理のお勧め教材
初めて「シルバニアファミリー」を買う・プレゼントするときの注意点まとめ
2~3歳児のためのお勧めジグソーパズル

 

続きを読む "私が使ったおすすめ!赤ちゃん用品"

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2007.08.26

P2P技術解説書の執筆が終わりました!

先週、P2P技術解説書の執筆が終わりました。今年の夏もP2Pに関する執筆で終わった。。。(*昨年はUNIX Magazine)でも大変貴重な経験も得たと思います。最近Blogの更新が遅くて申し訳ございませんでした。

とある人気技術入門書シリーズの一巻で、すくなくとも私が取りまとめている分は結構本格的な内容も含まれています。おそらく技術入門書(*一般雑誌を含む)としては国内初掲載の内容も多数あると思います。

執筆及び取りまとめた章は2章で

・P2Pアーキテクチャとファイル共有
・P2Pコミュニケーションシステム

となっています。

前者は構造化オーバーレイの話(DHT[Chord,Pastry,Kademlia]、KBR、Skipgraphなど)やシミュレーター、実装の話も書いてあります。もちろんファイル共有の仕組みについても。

後者はP2PSIPやSkypeのことにも参照しています。なお執筆陣はP2P勉強会でおなじみのメンバーが含まれています。

紙面が限られていた(といっても2章で100ページ弱程度)ことと、入門者向けということで詳細まで書くことは難しいかったのですが、好評であればP2Pアーキテクチャに特化した、より専門的な技術解説書の執筆もチャレンジしたいと、執筆陣では意気込んでいます。

個人的には肩書きとして会社の名前が出せたのがうれしいです。最近ではP2P関連についても名目次第では業務として認められるようになりました。近いうちに再び信学会か情処で学会発表ができれば。

発刊は今秋~冬の予定です。詳しい情報が入り次第、またご連絡致します。

また第3回P2P勉強会の調整も既に開始しており、講師陣は大体決まっています。
開催時期は発刊時期に合わせられればと思っています。

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2007.08.11

Skypeオフィスツアーを開催しました!

以前から企画していたSkype日本オフィスへのカジュアルツアーを8/10(金)に開催しました。

イベント概要は以下の通りです。
□日時:2007年8月10日(金)19:30~22:00
□場所:Skype日本オフィス
□参加者:8名(+Skype社員3人)
□参加費:無料
□参加条件:blogかMixiに感想を書いて頂ける方
□参加者募集方法:Mixiイベントトピ http://mixi.jp/view_event.pl?id=20461977

なお、今回はオフィスツアーの第1弾ということと、オフィスのキャパの関係上参加できる人数が限りがあることから本イベントの周知は私のMixi日記とMixiのTomo's Hotlineコミュニティだけと致しました。また岩田さんの粋な計らいでアリエルネットワークの方も参加して頂きました。

次回オフィスツアーを開催する際にはMixiの関連コミュニティ及びTomo's Hotlineで周知いたします。

印象に残った事を挙げておきましょう。(写真を載せてなくてすみません。他の参加者がバンバン載せてくれるはず。)

□その1、デザイナーズマンション?

Skypeの岩田さんとはP2P絡みでアリエルネットワーク時代からのお付き合いだったのですが、実際Skypeのオフィスに伺うのは今回が初めてでした。もともとSkypeとしてもユーザーとの交流会を計画していたのですが、その検討時期に今回の企画を私が持ち出したので、是非やりましょう!ということになったのです。

現在執筆しているP2P技術入門書のレビューのために私だけ早めにオフィスに入りました。

オフィスは六本木から少し離れたマンションの一室となっています。地図から場所がわかりにくいらしく、参加者の数人は30分ぐらい場所を探していたようです。オフィスの中はまるでデザイナーズマンションのようで、快適なリビングやキッチン、シャワールーム、そして仕事場があります。

この日のためにコンクリート打ちっぱなしのリビングにSkypeのフラッグを貼り付けていただきました。(多分どなたか写真をアップしてくれるはず。)

Skypeオフィスツアーまもなく開催(Skype 岩田さんのBlog)
http://siwata.typepad.jp/blog/2007/08/skype_56d4.html

□その2、社員は3人

Skypeの日本オフィス社員はよく知られているように3人しかいません。男性2人、女性1人の構成です。仕事としてはローカライズや戦略的パートナーシップの締結、広報活動等多岐に渡ります。またヨーロッパ(※Skypeは本社がルクセンブルグ、開発拠点はエストニアのタリン)との会議が多いようで、昼から会議が始まり、深夜まで続くときもあるようです。
またSkype自体は日本法人が現状なく、現在は駐在所的な位置づけだそうです。

□その3、タリンの風景

開発拠点であるエストニアのタリンには社員の方がよく行かれるそうです。リビングのパーティにおいて、プロジェクターでタリンの風景やエピソードを説明して頂きました。毎年1月には全社員がタリンに集結するミーティングがあります。冬になるとマイナス40度ぐらいになるところで、まだソ連時代の面影が街の風景として残っています。また最近ではチェコのプラハにも開発拠点ができるそうで、目下開発スタッフを募集しているとの事です。(※チェコ語ができるとベター!)全社員は世界中で600人ぐらいだそうです。

□その4、Skype vs SIP
SIPropでおなじみの今村さんがSIPはSkypeよりも優れている!ということをアピールするため、このイベントのためにプレゼンして頂きました♪プレゼンはとても素晴らしく拍手喝采でした。ご興味のある方は是非彼のBlogを見てください。

音声などただの飾りです!偉い人にはそれがわからんですよ←結論
http://www.noritsuna.com/archives/2007/08/post_84.html

意味深なタイトルですが、まあ参加者しかわらかないアレです。

ちなみに今村さんが最近執筆された「俺流プロトコル実装入門」の抽選大会が実施されました。私も見事あたりました!SIPをベースとした俺流RFC(nRFC)を実際に実装するノウハウが書いてあり、RFCや要求定義に興味がある方は買いでしょう。


□その5、P2P Today 横田さん参戦

もちろん横田さんも本イベントに参戦して頂きました。無印吉澤さんがいないせいか、いつものようなテンションでなかったです。(本調子じゃなかったかな?)結婚生活秘話?も色々と聞かせて頂きました。

===

パーティーではスマートフォンのことからWeb2.0やゲーム機との連携等色々な質問が飛び出し、ユーザのSkypeに対する期待の高さが伺えました。

 

本当は色々と書きたいことがこの10倍ぐらいあるのですが、オフレコとのことなので、ここで書くのは止めておきましょう。(*コレが聞けるのが参加者の特権です!)

Skypeとユーザとの懇親会は定期的に開きたいとのことなので、また少し経ってからカジュアルツアーを開催したいと思います。

次回のオフィスツアーはBittorrent日本オフィスの予定です。(今秋の金曜日夜を予定)
ご期待下さい!

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