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2006.10.07

[Mixi]IDを利用したマーケティング戦略の提案

□はじめに
Mixiの参加者数が数100万人規模になり、大学生の多くはMixiを使ってコミュニケーションしているとも言われている。つまり、若い世代はもはやMixiはコミュニケーションツールの一部となっている。

ここでMixiのIDについて説明しよう。MixiのIDは参加した順番に番号が振られている。つまり、IDが小さいほど参加した時期が早い事になる。

□IDが小さいほど「有利」なわけ

私がMixiに入ったときには、まだ2万程度のコミュニティだった。このとき今のような盛り上がりを予言していた人は少なかったのではないだろうか?Mixiでコミュニケーションできる人も限られていたし、掲示板も盛り上がりにかけていた時があった。今とは大違いの時代である。

ところで、IDが小さいとどういう特徴を持つだろうか?一旦整理してみよう。

[特徴1]イノベーターやアーリーアダプターが多い。
これは、新しいものや面白そうなものにイノベーターやアーリーアダプタが早くから飛びつくから当然の結果である。または、イノベーターやアーリーアダプタと密接な関係の知人も含まれる

[特徴2]オピニオンリーダーが多い
イノベーターやアーリーアダプターはBlog等を使って情報発信をする人が多い。つまり、オピニオンリーダーが数多く含まれている。

[特徴3]メジャーなMixi掲示板の管理人である場合がある
これはMixiの掲示板が早いもの順で設置できることと同じである。大抵のメジャーな掲示板は数万人規模のコミュニティになった際に設置される場合が多いと考えられる。また掲示板管理人ということは特徴2と絡み、オピニオンリーダーでもある

[特徴4]アンテナが高い人が多い
これは特徴1からの結果であるが、最新情報に対して非常に敏感な人が多い。

[特徴5]ハブとなる人が多い
IDが小さい人は単なるイノベーター、アーリーアダプタだけでなくハブとなる場合が多い。これは、Mixiという「人」と「人」を結びつける興味を持った人が参加したからだろう。単なる技術ウォッチャーは当時のMixiには興味をあまり示さなかったのだろう。

まとめると、IDが小さい人は最新動向に敏感で、情報発信も積極的に行い、リアルなコミュニケーションの能力の高い人が多いと言える。

□IDが小さい人に対するマーケティング的な魅力

このようなIDを持った人はマーケティング的には非常に魅力である。マーケティング的にはCMを使った手法が盛んであるが、最近非常注目されているのは、口コミ効果による宣伝である。
これをバイラルマーケティングと呼ぶ。SNS自体が「人と人」をつなげるシステムであるから、バイラルマーケティングにはうってつけの媒体である。

このバイラルマーケティングは、製品を広告(というよりも評価)するオピニオンリーダーの存在が重要である。このオピニオンリーダーの評価を元に、他の人は製品の良し悪しを決定する大きな力を持っている。
つまり、MixiIDが小さい人をうまく取り込むことによって、バイラルマーケティングを成功させることができる。

このバイラルマーケティングは大きな投資が必要ないだろう。IDが小さい人の中で製品に興味がある人、Mixiの管理人等をチョイスしてもらって、ユーザに製品を無料で提供あるいは評価に対するインセンティブを与える。このときにメーカーは客観的に製品を評価してもらうように注意する事が必要だ。彼らはアンテナが高く、意図的に好評価を与えようとすると逆効果となる。また、例えユーザがあまりよくない評価をしたとしても、それは有効な情報である。なぜなら製品の改良にフィードバックすればよいのだから。

□Mixiの掲示板とのタイアップ効果

もう一つ、バイラルマーケティングで廉価且つ効果が高い方法を提案しよう。それは掲示板とタイアップすることだ。私はグルメ系の掲示板を持っていて、お店のオーナーと色々とコンタクトをしている機会があるだが、お店側もMixiに対する潜在的な口コミ広告効果の魅力を感じているようだ。あるときにオーナーには、
「Mixiの掲示板ユーザには○○引きなどの特典をつけるといいですよ」
とアドバイスを与えた事がある。

このようにすれば、お店側はぐるなびなどに高い広告費用を払わなくても、大きな宣伝効果を与える事になる。もっともオーナー側は
・掲示板のユーザ層
・掲示板ユーザ層のニーズ
・掲示板のユーザ数
を的確に把握する必要があるし、それをもとに一番コストパフォーマンスに優れた特典を考える必要がある。

□終わりに
MixiのようなSNSではバイラルマーケティング戦略がうまくマッチする。特にIDが参加者順ということを考慮すると、
イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティがうまく分類できることもとても魅力的なシステムだ。これを活用させない手はない。

ただ、このようなIDにおけるマーケティング手法は、ユーザIDによる格差を生む事も確かである。この辺りも慎重に議論する必要があるだろう。IDが大きいと「時代に遅れている」といわれる日が来るのだろうか?

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コメント

*blogに対する修正意見のコメントがありました。
*blogに上記意見を反映したため、管理人よりコメントを削除させて頂きました。コメントありがとうございます。

投稿: miwako | 2006.10.07 13:46

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