[Skype]Skypeの本質は多対多VPN
SkypeはVoIPとしてとても有名なシステムだが、その本質は多対多VPNだと考えている。
Skype自体はセキュアなVPNインフラであって、その上に対してVoIP,チャット,データ等どのようなものでも流通してもよいのである。SkypeがAPIを提供してから、私はますますそのような見方が強まってきた。
多対多VPNを多くの人に提供するのは、コスト面やスケーラビリティからサーバ=クライアント方式では厳しい。ということで、P2Pシステムを採用したと推測できる。もちろん、NAT越えなどユーザを意識したシステム作りもシステム的には興味があるのだが、本質的にはVPNサービスであることを忘れてはならない。
このように書くとSkype社がSkypeをインフラと強調している理由がわかるだろう。
Skypeの戦略はコンタクトリストを武器にして、相手に対するコネクティビリティ(接続性)をぎっちり握ってしまうことである。Skype APIを使えば相手と連携するシステムが簡単に構築できる。ただし接続するには相手とコンタクトリストを共有する必要がある。これはとても重要な意味がある。
例えばメールアドレスがあれば、他人とメールすることができる。つまりコネクティビリティはメールアドレスを保持すれば有することができる。このメールアドレスは各ISPが払い出す。
しかしSkypeやSkype APIを使ったシステムはSkypeが完全にコンタクトリストを管理していることに注意してほしい。Skypeはコンタクトリストを利用してユーザに対する様々な分析やそれを使った広告ビジネス等を展開できる可能性がある。
話を少しずらしてWeb2.0のことについて考えてみよう。Googleはインターネットというオープンな世界をうまく利用して情報共有という企業メリットを生かしてWeb2.0の覇者になった。ではWeb2.0の後の展開は何だろうか?個人的には個々があらゆるサービスを「ある特定の人」と共有することと考えている。つまり完全なオープンでなく、半クローズドな世界である。これはSNSの世界に近い。
このような世界を仮にWeb3.0とすると、それを今実現できるのはSkypeだ。Skype APIを使えばどのようなサービスも基本的には「知人」と共有することができる。
このようなことをMixiの日記に書いたら、マイミクの方から意見を頂いた。
それはWeb3.0の世界はなんらかのIDを元にすべてのサービスのコネクティビリティを保証する時代がくるのでは?ということである。IDを使ってメール、チャット、ファイル共有、あるいはWordやExcelなどのアプリケーションの同時共有などが「特定の人と」できるのである。
このような概念はP2Pの世界で言う分散ハッシュテーブル(DHT)の思想にかなり近い。
ただし通常のDHTとSkypeで違うのは
□Skypeは知人同士でしかコネクティビリティがない。
□DHTはどんな人ともコネクティビリティが可能。
ということである。もちろんDHTがSkypeのようなコネクティビリティを実装することは可能だ。
SkypeとDHTのどちらがWeb3.0の覇者になるのか、まだ私には見えない。ただし、オープンな世界とクローズドの世界というのは、交互に現れるものだから、今度はSkypeのような知人だけにしかコネクティビリティがないシステムのほうが人気が出るかもしれない。
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