[P2P入門]これで納得!P2P超入門~その1
これから数回に渡ってP2P超入門を連載します。P2Pのイメージをつかんでもらうことが目的なので、一部あいまいな点がありますが、それは許して下さいね。
ここではP2Pの研究をしている大学院生「太郎」さんと、サークルの後輩で大学1年の「さくら」さんの会話を通しながら、P2Pについてわかりやすく解説します。
□はじめに
さくら☆
太郎さん、最近「P2Pが~!」とか「Winnyが~?」という記事が多いよね。でもP2PやWinnyって実際よくわからないんだけども。
太郎★
そうね、テレビ番組や新聞もきちんとP2PやWinnyについて解説してない場合が多いから、誤解している人やよくわからない人が多いと思うよ。
さくら☆
「P2Pは良くない」って良く言われているんだけども、どうしてなの?
太郎★
実は「P2Pは良くない」とか「P2Pは悪」というのは間違った見方なんだ。
さくら☆
どういうこと?
太郎★
P2Pは通信技術の一つであって、使い方次第で良い利用法もあるし、悪い利用方法もあるんだ。
さくら☆
よくわからな~い!
太郎★
例えばさくらさんもメールを良く使うよね。メールを使うことは良いと思う?悪いと思う?
さくら☆
だってメールは仕事でもプライベートでも良く使うし。良いことに決まっているじゃないの!?
太郎★
でも、よく知らない人からメールが来たり、広告メールも見たりするよね。あるいはウィルス付のメールが来たり。
さくら☆
あ、そうか!ああいうメールって厄介だよね。
太郎★
そう、私たちが使うメールという通信技術を見ても使い方次第で「良いことをする」手段であったり、「悪いことをする」手段であったりする。
さくら☆
だからP2Pも使い方次第で「良いことをする」手段だったり「悪いことをする」手段だったり見えるという説明なのね。
太郎★
その通り。まずはP2Pについて知らない人が多いから、これからわかりやすく説明するね!
さくら☆
はい!期待大です♪
□P2Pとは?
さくら☆
P2Pってぶっちゃっけ何なの?
太郎★
P2PはPeer to Peer の略なんだ。to と2「two」の英語の発音が同じなので、P2Pと書かれていることが多いね。Peerとは「対等な」という意味。だから直訳すると「対等同士のつながり」っていう感じかな。
さくら☆
よくわからな~い!
太郎★
そうだよね。例えばパソコン同士を直接繋げて通信するような感じかな。
さくら☆
イメージはわかるけども、もう少し具体的に説明して欲しいなぁ~。
太郎★
では、いわゆる通常の通信方法について説明しようね。
□お金持ちと召使
太郎★
さくらさんが例えばお金持ちだったとします。何人も召使がいたらどうする?
さくら☆
うん、まずワインと美味しい食事をもってきてもらおうかな。(笑)、あと車の運転をしてもらうの!私は助手席で。
太郎★
なんか、さくらさんの召使が大変そう(笑)ところで、召使がいれば、なんでも命令できるよね。実はこれが一般的な通信と関係あるんだ。
さくら☆
どういうこと???
太郎★
例えば、さくらさんがメールを桃子さんに送ることを考えてみます。メールはさくらさんのパソコンから送りるよね。
さくら☆
うん、そうだけども!?
太郎★
実はさくらさんがメールを送る直接の相手先は桃子さんでなくて、メールサーバというものなんです。
さくら☆
へえ、そうなんだ。じゃあ、桃子さんに渡すメールは一旦メールサーバというところを通過するんだ。
太郎★
そう、そして実はさくらさんのパソコンはメールサーバに対して「メールを桃子さんに届けてね!」という命令を出している。
さくら☆
ということは、パソコンがある命令を出して、メールサーバがその命令を受けて動いているということ?
太郎★
その通り。だから、先ほどの例でいうと、さくらさんのパソコンが命令する側、つまり「金持ち」で、メールサーバは命令を実行する側、つまり「召使」になる。これを通は「クライアント=サーバモデル」って呼ぶんだ。
さくら☆
じゃあ、パソコンは命令を出すだけということですね。なんだか「クライアント=サーバモデル」と呼ぶとカッコいいですね!
太郎★
実は「クライアント」は「お客」、「サーバ」は「召使」という意味とほぼ同等なんだ。
さくら☆
なるほど!納得しました♪
□テニスゲームとP2P
さくら☆
こんどはP2Pですね。P2Pなら召使が何人もいるのかな?
太郎★
残念ながら、そうじゃないなぁ(笑)今度はテニスを考えみよう!
さくら☆
急にテニスの話題?
太郎★
うん、テニスを例にするとわかりやすいんだ。テニスってシングルだと2人で行うよね。
さくら☆
私、テニスやったことありますよ。こう見えても上手なんだよ!
太郎★
私はテニスは大学の授業でしか受けたことないなぁ。こんと教えてもらおうかな。
そことでテニスのルールは基本的にはボールを受けて、返すことだね。シングルでさくらさんと桃子さんが試合した場合、さくらさんと桃子さん、どちらも同じような動作だよね。
さくら☆
だってそれがテニスのルールだからね。
太郎★
実はこれがP2Pの本質なんだ。
さくら☆
どういうこと???
太郎★
今、「ボールを返すこと」を命令と考えてみよう。テニスのルールだとさくらさんは桃子さんに「ボールを私に返してね!」という命令を出すとともに、桃子さんはさくらさんに「ボールを私に返してね!」という命令を出していることになるね。
さくら☆
そうね。テニスでは、お互い「ボールを相手に返す」命令をしているんだ!
太郎★
そして、さくらさんは桃子さんから受けた命令を受けて、きちんと桃子さんに「ボールを返す」という命令の実行をして逆に桃子さんはさくらさんから受けた命令を受けて、きちんと私に「ボールを返す」という命令の実行をすることになる。
さくら☆
なるほど。。私も命令をするけども、他の人から命令を受けるわけね♪
太郎★
さくらさんも桃子さんも命令を出すけども、逆に誰かから命令を受けたらその命令を実行するわけだ。だから、さくらさんと桃子さんの役割は「同じ」だよね。
さくら☆
先ほど教えてもらった「クライアント=サーバモデル」は、お金持ちが一方的に命令を出して、召使が一方的に命令を実行していただけども、P2Pの場合は「誰もが命令をすることができて、誰もがその命令を受けて実行することができる」というモデルなんですね!
太郎★
そこまでわかれば完璧!P2Pはお互いのパソコンが命令を受けて、命令を実行するという対等な立場なので、「Peer」つまり「対等」という言葉が使われている。対等なパソコンから対等なパソコンへの通信だからPeer to Peer、略して「P2P」なんだ。
さくら☆
やっとP2Pが理解できたよ!
□次回予告
さくら☆
P2Pについてはわかったけども、P2Pっていろんな方法があるみたい。あと、P2Pって一体何に使われているか良くわからない~!
太郎★
では次回はそれについて解説しようね。
さくら☆
次回も楽しみ!
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