[P2P]P2Pインフラ研究会~「Winnyの技術」著者 金子勇氏講演 ~その1
先月1/28(土)に注目すべきイベントがあった。
P2Pインフラ研究会にて「Winnyの技術」金子氏の講演会があったからである。
今回はその模様を簡単に書いておきたい。
なお講演模様はITmediaで既に取り上げられているので参考にして頂きたい。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0601/30/news047.html
金子氏の講演は
◇Winnyの技術面
-Winny1 ファイル共有システムとして
-Winny2 大規模BBSシステムとして
◇Winnyの将来性
と構成されていた。
Winny1については金子氏の著作「Winnyの技術」と同じ内容なので割愛したい。
ただし、面白い話として、
「自動ダウンロード機能をつけたことで、多くのノードが長時間Winnyネットワークに接続された」が挙げられる。
つまりWinnyの成功というのは参加者数のアップだけでなく、いかに同時に多くのノードが接続されるか(それもできるだけ長時間接続で)というのが重要なキーであったのだ。
P2Pシステムでノードが長時間接続される工夫は、他のシステムでも必要であろう。
(例えばSkypeがその成功例の一つである。)
次にWinny2である。
Winny2はそもそも大規模P2P-BBSの検証のために開発された。結局現時点ではベータバージョンで終わっている。
金子氏はWinny1でファイル共有ではほとんどのことをやりつくしたと語っていた。つまりWinny2はBBS開発に注力を注いでいた事になる。
ここでBBSの仕組みを書いておこう。これは「Winnyの技術」には書いてない。
・スレッドは一つのファイルで成り立つ。
・1つのスレッドは1つのノードで管理される。(これを管理ノードと定義しよう)
(私もP2P-BBSを検討したことがあったが、第2世代P2Pシステムで複数ノードで管理するとファイルの内容のアンマッチがありとても大変!http://homepage3.nifty.com/toremoro/p2p/bbs1.html
ちなみにDHTを使うと簡単にスレッドを管理させることが可能。)
・スレッドはWinny1のファイルダウンロードのように拡散。
・書き込むときには、あるノードを介してから必ず管理ノードに書き込む。
・上記のお陰で匿名性をある程度担保しているが、実はノードが検索ボタンを連打すると管理ノードに直接繋がるというバグで、匿名性は実は実現できない場合があったりする。
⇒ということはファイルアップロードをWinny掲示板で宣言した多くの人が逮捕される可能性がある?
「Winnyの将来性」やパネルディスカッションについては次回書きます。
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