[SNS][はてな]Mixiの質問トピックとはてな質問の本質的な違いとは?
ITmediaではてなスタッフのインタビューが取り上げられていて、大きな注目を浴びている。
さて「はてな」サービスの大きな特徴の一つは人力による質問システムである。
はなての質問システムの本質を切り出してみよう。
[1]質問者は回答者に仮想通貨を流通させることができる
[2-1]質問者は回答者に仮想通貨を渡す絶対性はない
[2-2]質問者は回答者に仮想通貨を自分の好きな額を渡す事が出来る
[2-3]質問者が回答者に渡す仮想通貨の総額には一般的には限度がある
[1]が大項目で[2-X]が仮想通貨の流通に対する制限となる。強いて言えば、[2-3]の条件は弱いが、読者の人は納得してくれるだろう。
この4点により、次のような結果が生み出される。
「仮想通貨の流通及びその制限により、質問に対して、良質な回答が集まる」
[2-X]という特性により、自ずと単純な回答は「淘汰」され、(ひいては単純な回答しか書かない人は仮想通貨が全く受け取れないので、回答者からドロップアウトでされる)また、良質な回答者は、質問者による「良質な回答」により満足感を得られ、引き続き良質な回答を量産するという、うまいシステム循環をしている。これは単に仮想通貨をもらえるというレベルを超え、人間の本質的な性格、つまり「人からよく思われたい、人とうまく交流したい」という本質を見据えている心理的にも面白いシステムと言える。
⇒心理学部の方、誰か卒研とかで「はてな」を研究してもらいたいなぁ。
さて、変わってMixiの話をする。
Mixiには「コミュニティ」と呼ばれるシステムがあり、そこで色々な話題つまり「トピック」を立てることができる。
最近Mixiで顕著なのは、コミュニティ内のメンバに対して「質問」を投げかけるトピックが急増した事だ。
その1番特徴的なコミュニティはおそらく、
「資料になりそうなウェブサイト」http://mixi.jp/view_community.pl?id=25472 に違いない。
これはコミュニティ内メンバに対して、自分の欲しい情報が書いてあるWEBページを探してもらうことコミュニティあり、まさに人力はてなに限りなく近い。さらに100万ユーザといわれるMixiにおいて、その3%ものユーザがいるのは、はっきり言って驚異的と考えられる。この事実は、人間にとって、機械的な検索的だけでは満足できない人が多いことを物語っているだろう。
また、他のコミュニティでも質問トピックはとても頻繁に出現する。例えば京都関連のコミュニティでは、お薦めのスポットの質問が毎日のようにあるし、吉祥寺のコミュニティでは美味しい店の質問が多数寄せられている。これはどのコミュニティでも普遍的に見られる現象だ。
Mixiのコミュニティで質問トピックが生まれる理由はなぜだろうか?
私なりに整理してみた。
[1-1]細分化、専門化されているコミュニティの形成により、突っ込んだ、良質な回答が期待できる。
[1-2]同じく、細分化、専門家されているコミュニティに入る事による「仲間意識」と回答へのボランティア意識の芽生え。
[2]Mixi自体が招待制を取っているため、悪戯回答をする人が少ない。
[3-1]回答をする欄から、その人のプロフィール、人間関係が辿れるという要因から悪戯回答抑止効果の現れ
[3-2]回答をする欄から、その人のプロフィール、人間関係が辿れるという要因から「良質の回答」をすることで、注目、あるいは他人の評価を得る事ができる。(ゆくゆくは関係者と良好な関係を形成できるということも期待できる。)
[1]自体は2chでも同様な現象が考えられるので、Mixi独自とは考えにくい。そうなると、やはり[2][3]の効果が大きいと考えられる。特にMixiの場合、本質的には[3]の要因が強いと私は考えている。もちろん、その背後には[2]という前提条件が効いているのは言うまでもない。
ところで、はてなとMixiではとても大きな違いがある。それは、
「はてなの場合、[質問者と回答者で親密な関係]は構築できるが、それはあくまでも[一過性]の事象に過ぎない。
しかしMixiの場合はコミュニティという[継続的な]場が形成されるため、そこでの質問は質問者と回答者だけの関係に留まらず、[他のコミュニティ関係者とも]良好な関係を[継続的]に形成することができる。」
つまり、はてなとMixiでは
・誰と良質な関係を保てるのか?
・良質の関係をどの時間帯まで維持できるのか?
という2点で大きく異なる事が、自分で整理している時にわかった。
はてなは「仮想通貨」というエンジンによって「良質な回答」を維持していたのだが、Mixiは「人間関係」というエンジンによって「良質な回答」と「良質なコミュニティ」を維持していたのだ。
人間関係が少しずつ希薄になっているとは言うが、Mixiを見る限り、まだまだ人間関係の影響力は強い。そして、この人間の絆を使えば、人力による質問及び回答というのが本当の意味でビジネスになる日も近いだろう。最終的にはコミュニティの発言や質問を通してマーケティングに活かされるもそのうち来ると考えている。
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