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2005.08.03

[放送と通信の融合]放送と通信の融合は語学番組から始めるべきではないか?

今年の3月に日経連の後押しで、IPにおけるドラマ再配信の暫定著作権料が決定したことは記憶に新しい。
これをきっかけに日本テレビやフジテレビがコンテンツ配信に動いた事は、少しずつではあるが一般の人にも「目に見える」動きが出たということで喜ばしい事である。

ただし、具体的な暫定著作権料の内容を見ると結構複雑なことがわかる。主な著作権者団体に支払う料金は決定しているが、全ての著作権者がその団体に入っているわけではないし、場合によっては著作権者の許諾はやはり必要だ。

著作権の処理以外で気になるのはコンテンツのウィンドウ戦略だ。ウィンドウ戦略とはどのタイミングでどのような媒体でコンテンツを出すかということである。
通常、映画で言うとまずレンタルが始まり、セルビデオとなり、有料放送が始まり最後に地上波放送となる。
では今まで実験的にリリースしたTV番組のドラマコンテンツは、どうなるかというと大抵セルビデオと同じタイミングでVOD(ビデオオンデマンド)が行われている。

ところでドラマのVODコンテンツのニーズというのは市場調査によると実はそのドラマが流れているタイミングとほぼ同時期が一番見たいタイミングといわれている。今までトライアル的に配信していたTVドラマがあまり売れなかったと言われるのはそう言う事情が考えられる。先ほど言ったTV放送とほぼ同じタイミングでの再放送orVODを「ニアタイムVOD」と呼ぶことにしよう。
実際にこのニアタイムVODが行われている例は少ないのだが、実は大きな成功例がある。

NTT東西が提供しているフレッツユーザはフレッツスクウェアというポータルサイトにアクセスできる。ここではガンダムSEED Destinyと呼ばれるアニメを番組放映の同じ日の夜にVODで配信し、とても人気を得ているとのことである。

そうなるとドラマもおなじようにニアタイムVODにすれば、という発想になる。
ニアタイムVODのメリットは一般ユーザのVODニーズに応えることが大きいのだが、もうひとつはドラマの視聴率アップにも貢献するという相乗効果が見込めることだ。つまり気になる過去の放送を見ることで視聴率が上がることが予想されるのだ。

ただしドラマでは著作権者があまりにも多すぎるためニアタイムVODのニーズがあっても実際に行うには膨大な手間がかかるだろう。もっとも某TV局の方と話したところバラエティ番組ならニアタイムVODはあり得るかもしれないとのコメントを頂いた。

ではドラマ以外でニアタイムVODが有効なのはなんだろう?

私が考えるに現状でニアタイムVODが大いに有効なのは語学番組だと思っている。

理由は4つある。

[1]著作権者が少ない
一般に語学番組に関わるスタッフはそれほど多くない。ということは著作権処理がスムーズとなる。
[2]出演料が安い
語学番組の出演者は一般的にそれほど有名人ではない。ということはVOD配信した場合に著作権者(出演者)に支払う再配信料金もとても安いと考えられる。
[3]継続して視聴する必要がある
一般に語学番組は一連のシリーズになっている。聞き逃したり録画をし忘れてしまう人が多いはずだ。するともう一度過去の番組を聞きたい人が相当数居る事が期待できる。ラジオ講座ではCDを売っているぐらいだから潜在的なニーズは大きい。またこのようなニアタイムVODが実現できれば番組視聴挫折するひとが少なくなるはずなので放送局側もメリットがある。
[4]何回も視聴したいと言うニーズがある
学習のためにフレーズを繰り返し再生したいという人も多いはずだ。VODならそれは容易に可能だ。

特にNHKさんはコンテンツのIP配信を目指しているので是非とも実現して欲しいと考えている。

さらにもう少し議論を進めてみよう。
今度はNHKのラジオ講座を考えてみる。NHKの英会話講座は基本的に毎日放送する。
これをもしポッドキャスティングをすることが可能であれば、電車の中や喫茶店などでも語学学習が可能である。
通勤時間帯でNHKテキストを見ている人をよく目撃するので、このようなポッドキャスティングができればニーズは高いと考えられる。場合によっては有料にしてDRMを書けるというのもあり得ると思う。

実際幾つかのラジオ番組はポッドキャスティングを予定したり既にリリースしているが、まだラジオ番組そのものをポッドキャスティングしていないので、NHKさんには期待をしている。

語学番組はユーザにとって繰り返し聴きたい、過去コンテンツを聞きたい、時間があるときに学習したいというニーズがあるので今までとは違つ番組配信を考える必要があるだろう。語学番組のIPでの再配信が成功すれば自然と他のコンテンツもIP再配信への期待が高まると考えられる。


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