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2005.06.25

[現代音楽]シュトックハウゼンレクチャーの概要について

昨日(6/23[木])、現代音楽の巨匠のシュトックハウゼンによるレクチャーに参加してきました。
ここで概要及び感想を書きます。

日時:6/23[木] 19:00~21:00
場所:天王洲アイル アートスフィア

電子音楽や偶然性の音楽等のパイオニアであり、現代音楽界ならず、ロック、テクノ界に強い影響を与えてるシュトックハウゼンの28年ぶりの訪日ということで、来日前から強い注目を浴びていた。今回は第21回「東京の夏」音楽祭2005の開幕を飾るにふさわしいイベントであった。
なお、6/24[金]~6/25[土]まで昨年ドイツで初演されたリヒト=ビルダー及び氏の電子音楽等が演奏される事でも多方面から関心を持たれていた。

ロビーでは氏の電子音楽や今回演奏されるリヒト=ビルターのCDが売られていた。

さて、今回のイベントだが、前半はリヒト=ビルダーに関する氏自らによるレクチャー、及び後半は参加者からの質問という構成であった。

まずリヒト(LICHT:光)だが、これは一週間演奏にかかると言われる超巨大な一種のオペラである。このリヒトは曜日による区切りがされていて、今回レクチャーの対象となった「リヒト=ビルダー」(LICHT-BILDER)[光=イメージ]は「光の日曜日」の第三場にあたる。

なお、ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、近年話題になった「ヘリコプターカルテット」もこのリヒトの中の楽章の一つとなっている。

ではレクチャーに関する概要について書いておきます。
今回のレクチャーですが、リヒト=ビルダーの構造である冒頭部、月曜日~日曜日という8つの章に応じて、その章の区切り毎に簡単な解説を氏自ら行うと言うものでした。

楽器編成はバセットホルン、フルート、テノール、トランペット、シンセサイザー、サウンドプロジェクターからなり、
サウンドプロジェクターは氏自ら操作していました。(サウンドプロジェクターは観客席中央にありました。)
なお、バセットホルン、フルートにはマイクがついてあり、リングモジュレーターによって周波数が加工されます。氏はリングモジュレーターを使った作品を過去に何度も発表していて、「マントラ」などの作品が代表例として挙げられます。

今回のリヒト=ビルダーの特徴ですが、バセットホルン、フルート、テノール、トランペットの奏者がステージに立ち、音形に合わせて動作をする事が挙げらます。例えば、クレシェンドの時には右へ動く、メロディが上昇する時には楽器を上方向に動かすなどです。動作は直線的な単純な動きではなく、非常に複雑に「指定」されています。

なお、ステージ上の4人の奏者は全て暗譜で演奏します。指揮者はいません。
初演時のリハーサルでは1日7時間45日間に渡ったそうです。

演奏ですが、各奏者に特殊技法等高度な演奏テクニックが求められます。また動きながら演奏するので、見ている方でも大変さがわかります。トランペットは5種類程度のミュートを使い分けていました。演奏時間は約40分。奏者の服装はエスニックな感じのものでした。

リヒト=ビルダーではテノールが入る事で、言葉と言う概念が非常に大切な役割を示します。歌詞はほとんどが単語で、各曜日毎にテーマがあり、それに関する単語を羅列するような感じです。
(例えば金曜日は天体がテーマになっていて、「こぐま座」や「いて座」などが出てきます。)
また、神を称えるようなフレーズが何度も出てきます。

後半では氏への質問コーナーとなっていました。
今回印象に残った質問を書いておきます。(メモをしてないので、かなりの抜粋ですし、部分的にあやしいですが。。。)

Q:今回のリヒト=ビルダーにおいて氏のフォーミラ技法が使われているか?
A:使われていません。

Q:リヒト=ビルダーにおいて、管楽器及び声によって構成されていますが、弦楽器あるいは東洋の楽器等の採用は検討しなかったのですか?
A:バセットホルン及びトランペットはリングモジュレーターによって変調されます。これにより有機的で豊かな音色が発生します。そのため、この構成で充分と考えました。

Q:音楽と空間についての関係を教えて下さい。
A:自分の曲の大半が空間音楽なので、空間の概念は非常に重要です。(この後グルッペンなどについて解説)
自分の曲が望ましい形で演奏できる空間がほとんどないのが残念です。
例えば、普通のホールは一つの点から音が発生することを考慮して設計しています。しかしながら自分の曲は観客の周りに音源があったり、いわゆる通常のホールとは意図する音の状況が異なります。
(なお、回答の際には雅楽との関連、日本で初演した作品などについても説明していた。)

Q:言葉と音楽についての関係を教えて下さい。
A:自分の多くの曲で神への感謝を表わしています。例えば「少年の歌」は古い書物「ダニエルの書」を用いて、神への感謝を表わしています。また、今回リヒト=ビルダーにおいて(月曜日だと)石ー丘ー水などについてテノールが語りますが、これも全人類全てにおける神への感謝への象徴として「石」「樹木」などの言葉を発するようにさせています。

感想ですが、まず巨匠自体を目の前で見えたことが大変嬉しかったです。質問コーナーによって氏の音楽に対する考え方が少しながら理解できたのは自分にとって大きな収穫でした。
ただ、音楽自体はあまり革新的には聞こえず、感激したとは自分は思えませんでした。事前にリヒト=ビルダーについてCDを聞き込んでいたら、また違って聞こえたかもしれません。

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