[P2P]位置情報とDHTの関連付けについて
ちょっと昔の話になるが、タクシーを使って面白い実験があった。
タクシーに通信機搭載、ワイパーがサイン
これは、タクシーに通信機能がついていて、ワイパーを動かすとその地域が雨である事を知る事ができるのだ。
つまり、非常に細かい精度で現在の降雨の状態が観測できる。
そうなると、タクシーの通信端末のミドルウェアにDHTを搭載して、日本中の降雨状態を細かく網羅できれば面白そう!ということを考えたわけです。
一番面白そうなのは、携帯端末(with GPS)で位置情報+そこで取った写真とリンクさせる、コメントを書く、地図とリンクさせる、且つ他の人と情報を共有する!携帯端末にDHTのミドルウェアを載せるのは面白そうですが、定額制にならないといけないので、例えばウィルコムの端末がそういう機能を載せると面白そうです。(もっとも、データのアップデート、ダウンロードだけなら端末にDHTをミドルウェアを入れる必要はありませんが。)
もっと抽象化すると、ある位置情報とそれに関する情報をP2P、それもDHTを使ってどう扱えば良いのかということが面白くなりそうだ。そこでDHTで位置情報の取り扱いをどうするということを考えてみたい。
位置情報は基本的には2次元なので、2次元のハッシュ空間を利用すればこれらを収容できそうだ。
つまり、あるメッシュの大きさを決めて、そこに単位長さを導入する。ハッシュ空間(0,0)は、あるポイントを中心に単位面積をカバーする位置情報を保持する。(0,0)から北へ単位長さ1、東へ単位長さ1へ移動したエリアは例えば(1,1)tと定義する事ができるだろう。
ただ、2次元ハッシュ空間は扱いにくいのでこれを1次元ハッシュ空間に閉じ込める。例えばSHA-1は160ビットなので、上位80ビットを南北方向、下位80ビットを東西方向に割り当てる事ができる。こうすれば、Chord,Symphony,Pastryなどでも扱える事ができる。
ビジネスモデルだが、例えばこんな事が考えられる。
情報をDHTにアップロード、ダウンロードするだけであれば、無料でユーザに提供できる。例えば、自分の住んでいる今のエリアの面白い情報などを入手することができる。ただし、もし地図を使ってユーザにその場所についてわかりやすく図示するには、(地図を接続するサーバと接続させて)お金を回収するということが考えられる。
それだけでなく、プレミアムな情報を提供する時にお金を取る事も考えられるだろう。
こうすれば、業者が大きなストレージを管理することもなく、また多くのトラフィックを捌く事もなくなる。
携帯(モバイル端末)+DHTはまだ先の話だが、面白いビジネスモデルが生まれそうである。
| 固定リンク
「P2P」カテゴリの記事
- WebRTCを実現するためにSTUNだけでなくTURNも必要な理由(2015.01.08)
- [P2P]P2Pストリーミングのサーベイ文書について(2014.11.09)
- Winnyの開発者、金子 勇氏の急逝を悼んで(2013.07.07)
- 「分散ハッシュシステムでのNAT超えの考察」に対する質問について(2012.12.16)
- [P2P]Websocketでブラウザ間P2P通信は実現できるか?(その2)(2011.11.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
tomoさん、こんにちは。
ついでにプレゼンス情報も扱ってしまうというのはどうでしょう?
タクシーのようなケースでも、これだと空き状況も分かるので、情報提供するための設備を用意する側にもすぐにメリットが生まれそうな気がします。
投稿: ktomok | 2005.03.25 19:32