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2004.12.11

[P2P]位置情報とP2P

GPS機能を持った機器といえば、カーナビと携帯電話が考えられる。カーナビはほぼ全部がGPSを有しているし、携帯電話もあと数年以内であればGPSをもつ機器が主流となるだろう。

そうなると、位置情報の流通というのが現実的なものとなっていく。つまり、

1)位置情報を知人に伝える
2)位置情報を所属組織に伝える
3)位置情報を渡して、それを使ったアプリケーションの結果をもらう

という事が想定される。

1)で言うと、例えばIMのステータスに自動的に自分の位置情報が入る。2)ではタクシー会社や運搬業者が既に行っているサービスである。3)であると、携帯電話の位置情報からその近くの飲食店をサーチする事が実現されている。

さて、このような位置情報の集約をクライアント=サーバ型で行うと2点気になる事が考えられる。
1)サーバに大きな負荷がかかることが予想される
2)位置情報をサーバ管理者が覗き込むことができ、個人情報を漏洩することが懸念される

1)は他のCSと同じなので説明を省く。ここで言いたいのは2)だ。
2)の対策として暗号化し、それを鍵を事前シェアしている人だけ閲覧できるということも可能だが、柔軟性に欠けそうである。

その意味において、個人情報を流出しないためには個人から個人(あるいはある程度のグループ間)に対して位置情報を共有するにはP2Pが望ましいのだ。

仕組みとしては次のようなことが考えられる。

1)各ノードはDHTに参加する。Node_ID(hash(name))に対して、自分のIPアドレスを周知。ここでNode_ID(hash(name))に対して位置情報を周知させない。あくまでもDHTの機能はLook upだけ。

2)ノードnameに対して位置情報を聞きたいときには、Node_ID(hash(name))からIP情報を聞いて、そこからノードnameに対して直接位置情報のリクエストを出す。ノードnameには承認リストがあり、そのリストに合致するノードだけ位置情報を電子署名つきで送信する。認証では電子証明書を使う。なお、Node_ID(hash(name))からIP情報を聞く時に対しても認証をかけることが望ましいだろう。

3)もらった情報について電子署名を確認する。

こうすれば、柔軟に位置情報の送信先をコントロールすることでき、位置情報の漏洩を最小限に留めることができる。
承認リストは時間や場所などによって自動的に送信を制御することができる。またそれだけでなく、リクエストした人の情報によって、位置情報の精度を可変させる事が望ましい。例えば、運送業など会社に深く位置情報が関わる場合、会社に対しては100mぐらいの誤差、知人に対しては区や市が判別できるぐらいの誤差など。

位置情報だけでなく、個人情報を制御するにはP2Pが向いているのかもしれない。

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