最近調子が悪い。。今日も頭痛がひどくてバイオリンレッスンを休んでしまった。皆様の励ましメール&コメントお待ちしています(笑)皆様も忘年会シーズン突入という事で体調は大丈夫ですか?
さて、本題に戻って。
P2Pと匿名性について振り返ってみよう。P2Pでの匿名性の議論はFreenetが浮き彫りにし、そしてWinny、新月がそれを独特の形に進化したということになる。最近では匿名性云々の議論は薄れてきたように思える。これはWinnyの作者が逮捕されたことが強く影響しているだろう。
※注意:新月については現在も活発にコミュニティで議論がされている。
まず私は著作権法などのスペシャリストではないことをこの場で書いておく。今回は技術論ではないので、色々な人のコメントを求めたい。
人は何で匿名性を求めるのだろうか?これは今まできっちりと整理されてないのではないだろうか?少し考えてみた。
大きく分けるとこのような2つの事が考えられるのはないのだろうか?
1)自分の情報が必要以上に漏洩することを防ぎたい
2)自分が情報発信者(あるいは受信者)であることを特定されたくない
1)については例えばIMで通信している時に、会話以上にIPアドレスなどの情報によってその人の組織名とかがばれてしまうことを指す。つまり、通信では相手に自分が求めている以上の情報を渡してしまうのである。2chでよく組織名が晒される事もこれが該当するだろう。
2)については匿名でないネットワークでは、発言をすることによって実生活に支障を及ぼすことが考えられる。健全な発言権が行使できない。(特に政治情勢や会社組織が不安定、強権的な場合)その点で2)の仕組みは「ある程度」は必要と考えられる。広い意味では2)は1)を包含しているとも言える。
ただ、匿名性を強めると問題が起きる事も確かだ。それは
1)中傷などのコメントについてコントロールすることできない
2)違法なコンテンツについて、システムから排除することが難しい
3)非健全的なコミュニティの温床になる可能性がある
という事が挙げられるだろう。発信者が特定できないということにより、不法行為、あるいはそれに準じる行為が横行する事が考えられるのだ。
では、どうすればよいのか?それは匿名性と非匿名性のバランスを考える事が大切だと思う。
例えば2chでは一般的な発言については匿名性が保たれている。しかしながら、管理者が違法、あるいは違法に準じるコメントがあれば削除あるいは警察等に連絡をしている。これをP2Pの世界に持ち込むことはできないのだろうか?
そうなると、ユーザは全てが対等ではなく、管理者に近いスーパーユーザ的な立場の人が必要となる。このスーパーユーザ的な立場の人が、ある程度の権限を与えて情報を削除、あるいは発信者の特定ができるようなシステムが望ましいと思われる。またスーパーユーザは複数にその権限を与えて、お互いに牽制しあうことも必要であろう。
システム的にはどうすればこのようなシステムができるのだろうか?
例えばあるコメントについて削除するにはkey_Aが必要としよう。今、スーパーユーザが4人いるとする。このとき秘密分散法をつかって、key_Aをkey_1,key_2,key_3,key_4に分割し、これをスーパーユーザに渡す。スーパーユーザのうち3人がこれを削除したい思えば、秘密分散法からkey_Aを復元し、削除するという感じである。なお、ログについてもkye_Aで暗号化されるので、スーパーユーザが3人同意が取れれば発信者を特定できる。
今回良いたいことは匿名性の研究が不要であるということではない。むしろ電子投票や国家組織的な情報通信インフラを作るうえで匿名性の研究は必須であり、今後ますます力を入れるべきと考えている。しかし、もし匿名性を使ったソフトやシステムを民間でリリースするのであれば、匿名性のバランスを考慮した対策が必要であると言いたかったのである。
IPv6時代に突入するとEnd-to-Endの時代、すなわちP2Pが一般的となり通信情報は丸見え状態となる。匿名性のバランスが取れたシステムが必須となるだろう。