[コミュニティ]セマンティックメールの提案
BlogではおなじみのRSS。Blogの内容を要約し、それをメタデータとしてRSSリーダ等でどのようなにBlogが更新したかわかるようにすることができるものだ。このようなRSSリーダを使っている人は多いし、はてなアンテナもこの部類の一つ(というか変形)に入るかもしれない。
RSSとは?
ところで、このRSSはそもそもはセマンティックWEBと言う概念から出てきた。そもそもセマンティックというのは「意味」を表わし、WEBが何を書いているのか、「意味的」に表わすことを実現するものだ。RSSはその派生技術ということができる。セマンティックウェブ全般に詳しいサイトは以下の通り。
メタ情報とセマンティックウェブ
セマンティックウェブは研究が現在非常に盛んで、急激な進歩を遂げている分野である。今後も動向を見守る必要があるだろう。
ところで、最近Gmailを代表として大容量にメールが蓄積できるサイトが生まれつつある。国内ではライブドアが1GB容量のメールサイトをサービスインした。
WEBメールでなくても、自分のパソコンに数100Mいや数GBのメールを蓄えている人は非常に多いのでないだろうか?
このような大容量のメールを蓄積できる場合、そのメール数は膨大で、内容、宛先、送信元は多岐にわたる。果たしてこれらを簡単に整理・分類できないのだろうか?
1番てっとり早い手段はフォルダーで分類することだ。例えば、送信元がp2p@MLというものは、「p2pメーリングリスト」と言うフォルダーに入れる。このようなフォルダーでの分類は「宛先」「内容」「タイトル」等で自動的に分類することができる。
上記の場合はメーリングリストなので「内容」「分野」が限られていたので非常にわかりやすかった。
しかし、実生活ではなかなかうまくいかない。そのため、手分類がほとんどだ。
例えば、KenjiがAyaにメールを出した場合を考えてみる。KenjiとAyaは会社の同僚でさらに友人でもあるとしよう。
また、KenjiとAyaは会社のボランティアグループにも入っている。
KenjiとAyaの間では次のメールが飛ぶはずだ。
1)仕事に関するメール
2)会社に関するメール(飲み会、決裁、事務処理など)
3)友達としてのメール
4)ボランティアとしてのメール
これらをどう「自動的に」分類するか?ひとつの解決方法はタイトルにあるデータを埋め込むことだ。例えば仕事のメールなら「Work」などと入れる。そうすれば、先ほどのメーラーの自動分類はWorkのフォルダーに入る。
私もこのようなことをして自動分類する時がある。ところがややこしいのはこのお互いの分野が1つのメールで関連したりするときだ。これはもうお手上げに近い。また、どのようなデータをタイトルに入れればよかったのか、またはその整理をするのが面倒なときがある。(そもそもタイトルが汚くなるというデメリットもある。)
そこでメールについてメタデータをつけることが重要になるかもしれない。このようなメタデータをメールに入れることをセマンティックウェブに習ってセマンティックメールと言う事にしよう。例えば、メーラーにプルダウンメニューを作成することができ、それによって、どのような要件のメールかをXMLで埋め込む。仕事だったらWork、仕事でP2Pに関するメールならWork/P2P/ のように。
これが非常に有効なのは、社内秘などのメールを送る時である。例えば、仕事でセキュリティに関するメール「Work/Security」はすべて社外にだしてはいけないとしよう。そのときは、メーラーあるいはこのメタデーターを読み取る事ができるSMTPサーバで、社外に送る事を禁止する事ができるのある。SMTPサーバの中にはアプリケーションレイヤで処理する事ができる製品が既にあるので、現在ではメールの中にXMLのタグを設ければ処理できるはずだ。また、このようなメタデータの命名規則を規定すれば、友人間で簡単にメタデータの設定(例えば分類)ができる。
もちろん、RSSのようにメールの要約をすることもできる。これによって、日本語ではわかりにくい「結論」を先に読め、メールが不要かどうかすぐに判断することができる。意味情報を分析すればそれを自動的に破棄する事も可能だ。
たた、一番このようなセマンティックメールが「使える」場面はおそらく検索であろう。フォルダーで分類するだけでも相当な効果があるが、しかし適切な用語あるいは日時を指定しないと自分が本来欲しいメールがなかなか探し出せない。メタデータによりメールの内容が細かく指定でき、さらに本当に「意味情報」で検索できるとすれば、これは非常に効果的なアプリケーションとなり得るだろう。例えばまず要約部分のメタデータを使って高速検索する事もできる。
少なくとも私はセマンティックメールという用語が既にあるかどうかは知らない。(Googleでは引っかからない)ただし、「セマンティック」の概念はメールにも重要であることを示した。セマンティックメールではおそらくセマンティックWEBの技術がほぼそのまま使える事であろう。Gmailなどでこのような概念を取り入れる事ができれば、RSSのようにメールに対するメタデータの添付は普及する事だろう。
もしかすると、メールは一般の人にとってWEBよりも重要な情報伝達手段であるから、セマンティックメールの方がセマンティックWEBよりも普及が早まる可能性さえ秘めている。
最後になるが、先日コミュニケーションのつながりを図示(特にBlogやソーシャルネットワーキング)することを提案した。今回のようなセマンティックメールを使い、メールサーバでそれらを処理できれば、メール間のつながりを分析でき、結果的には人間関係などが容易に判明することになるかもしれない。これは非常に面白い研究になるだろうと思う。
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