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2004.07.05

[コミュニティ]コミュニティ拡大速度の考察

10年前まで固定電話と葉書ぐらいしか遠隔でのコミュニティは形成されなかったが、インターネットの発達によってコミュニティの拡大速度は著しくテンポが速まっている気がする。残念ながら、この拡大速度をきちんと考察している文献はまだ無いように思える。個人的には非常に面白い考察だと思うのだが。。。(どなたか研究しませんか?)

インターネットが普及してどのようなコンタクト手段が生まれたのだろうか?代表例を挙げよう。

・メール
・メーリングリスト
・メッセンジャー
・チャット
・掲示板
・個人用WEB
・Blog
・ソーシャルネットワーキング
....などなど。

まず、メールであるがこれは事前に相手を知っている必要がある。そのため、コミュニティの拡大スピードはそれほど激しくないだろう。(とは言え、電話や葉書に比べれば相当速いのだが。。)基本的には1⇒1のモデルだ。

メールやメッセンジャーは掲示板と融合して大きなコミュニティを形成した。これは掲示板に自分のメールアドレスを書く事によりコミュニティが拡大するモデルである。掲示板のユーザがNとすれば、メールアドレスを教えた一人に対するコンタクトが取れる。つまり、N⇒1のコミュニティが発生する。ただし、このコミュニティを維持するには、掲示板にその人が新たな記事を書くか、メールをくれた人にきちんと回答する必要がある。出会い系サイトもこのコミュニティに近いだろう。拡大速度のサイズはNだろう。

掲示板を通して情報交換するのはN⇔Nのモデルである。メーリングリストもN⇔Nである。
ただし、NがN+1にするには、掲示板外のユーザに対してなんらかの刺激が必要である。
刺激というのは勧誘したり、雑誌で紹介したり、検索サイトでキーワードがひっかかりやすくするような事である。
この意味で最初のサイズが小さければ加入人数は停滞するが、ある時点でコミュニティサイズが加速される事が考えられる。これが2chやYahooなどの巨大掲示板を生み出す原動力になる。拡大速度のサイズはN2だろう。

個人用WEB,Blogは1⇒Nに近い。Nを増やすにはその個人が有名になるか、内容を面白くするか、差別化するか他人にアピールする努力が必要である。拡大速度のサイズはNだろう。

ここで注目されるのがソーシャルネットワーキングである。ソーシャルネットワーキングは他のモデルと幾分異なる。
というのは、ソーシャルネットワーキングに入るには許可が要るし、他人とリンクするのも許可が必要だからである。
私もこの拡大速度は検討もつかない。ただ、分かっている事は積極的にコミュニティに参加している人は非常に大きな拡大速度を持つ(つまり友人を多く持つ)のである。拡大速度はある人の友人とのリンク数をNとすれば、(友人の友人までがリンク可能になるから)Nより大きくてN2よりは小さいかも知れない。
数的な仮定(*1)をすれば、簡単にシミュレーションできるから、研究するのも面白いかもしれない。

さて、今後のコミュニティはどのようになるのだろうか?一番考えられるのは全てのユーザがサーバ機能を持つ、つまりP2Pでのコミュニティである。全ての人が掲示板を持ち、Blogを持ち、ソーシャルネットワーキングに入る、このよな場合、非常に大きな相乗効果が期待できる。この場合、拡大速度は2N程度になるかもしれない。

まだジャスト イン アイデアなのだが、いろいろと考察すると楽しいだろう。

(*1)例えばある人がソーシャルエンジニアリングに入っていない他人にリンクできる確率をp、既に入っている友達の友達とリンクができる確率をqとすれば、シミュレーションが簡単にできるだろう。そしてp,qに対してどのような依存度があるかもわかる。

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