[P2P]秘密分散法による鍵供託の信頼性について
先日では分散ハッシュを使った掲示板において、秘密分散法を使って秘密鍵を複数ノードに情報を分割し、一定の手順・権限がないと、個人情報が取得できない鍵供託の原理を用いた匿名システムを提案した。
さて、それについて少しだけ補足する。
秘密分散法を使う時に、秘密情報Sが例えばN個の情報(s_1,s_2....s_N)に分割されるわけだが、閾値P個だけ情報がないと、本当に秘密情報Sがきちんと秘密分散方によって情報が分割したかわからない。つまり、ある人が秘密分散法を使って情報を分散したと言っても、それが実は適当な数値である可能性が残る。
しかし世の中には上手い事を考えた人がいる。秘密分散法で一番有名なShamirの多項式補間法を使う場合でも、適当な処理をすると、秘密情報を分散された先のノードが、その情報が秘密情報Sをきちんと秘密分散法で情報を分散した事が証明できる。もちろん、誰にも秘密情報Sがわからないまま。。このテクニックを検証可秘密分散(VSS:verifiable secret sharing)と呼ぶ。ちなみに秘密分散法はSSSと略記することもある。
このVSSについて詳しくは岡本龍明著「現代暗号」産業図書刊を読んで欲しい。この本はセキュリティについて幅広く理論から参考論文まで網羅しているので、セキュリティ理論に関心を持つ人には必携の書である。
P.S.ちょっと宣伝:
クラシックの女性アカペラグループ「アンサンブル=プラネタ」の5枚目のアルバム「Romance」が5/19に発売されます。美しいハーモニーだけなく、楽曲のモダンなアレンジにクラシックファン以外でも人気が高まっています。是非下記のURLあるいはCD屋さんで試聴してみてくださいね。ちなみに過去のアルバムも完成度が高い出来です。眠れない夜にはよく聞いています。
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