[P2P]ファイル流通の未来はどうなるか
今日のBlogやHPのアクセス数はいつもの倍のスピードで伸びている。もうご存知のあの件に関連することは間違いないでしょう。
さて、今後ファイル流通(ファイル共有という言葉はあまり好きでないので、著作権を意識してファイル流通としよう。)はどんな風になるのか、考えてみました。
1)より匿名性が高いファイル流通ソフトにユーザが流れる
これは一番ありそうな事である。実際にFreenetなど匿名性が高いファイル流通ソフトはいろいろある。また開発者もP2P匿名掲示板によってより匿名性が高いソフトを開発しているから、それらに乗り換えするユーザは多いだろう。
2)Netleaderのような「合法的」なファイル流通ソフトやネットワークできちんと購入できるDRM的なファイルダウンロードが増える
こちらについては現状では何ともいえない。ただし、警察が今回の件で徹底的に取り締まればこのような動きは大きくなるだろう。実際、DRMを使って著作権者にお金を支払う動きは日本でも活発になっているので、例えば有名アーティストがコンテンツを提供すればブレイクするかもしれない。私もこのような合法的なファイル流通を期待している。
つまり、ファイル流通が大きく2極化することが推測される。
心配なのはP2Pによるファイル流通を技術やビジネスモデルまで否定して欲しくはないということである。ご存知のとおり、P2Pでは多くのファイルを効率よく流通させることができる。例えばこのような流通ソフトを使う人は一律1000円/月だけ費用をもらい、それを著作権者に分配することも考えられるだろう。実際私の知人は日本人全員に一律X円徴収して、それを著作権者に分配することを研究していた。これはちょっと過激だが、コンテンツがあたかも電気や水道のように好きなだけ使う事ができることはユーザにとっても著作権者にとってもメリットのはずである。P2Pによる流通は非常に活発であることは著作権者側も充分わかっているのだから、それを逆に利用する手を全否定することはあまり得策とは言えないと思う。
では現実的な解はなにか?それはやはりハードによるコンテンツ流通の制限をかけることではないかと思う。
デジタルコンテンツで通信インフラを使い一番流通しているものはと言えば恐らく着メロがあげられるだろう。これは携帯というハードでのコンテンツ制御によって著作権者を納得させたシステムである。ではこれをテレビなどのホームネットワークに導入できないのだろうか?
一つの可能性としてSTBがある。デジタルTVの普及によりテレビの買い替え及びインターネット側からコンテンツを視聴できるSTBが一層注目されるだろう。しかし、STBにサーバだけで配信するのは非常にサーバに負荷がかかる。そこでユーザのSTB間でコンテンツをP2Pで流通すると面白いビジネスモデルができるのではないだろうか?STBはホームネットワークと連携する事で家電とアクセス制御などを行う。こうすれば著作権者にも納得がいくP2Pシステムができるだろう。「放送と通信の融合」が実現すればP2Pはより現実的なコンテンツ流通の解に挙げられるのだ。
いずれにせよ、P2P=「不正」と言うイメージはなんとか払拭したいと考えている。その点でメディアは合法なP2Pシステムをもっと理解し、報道すべきだと思う。
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