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2004.05.07

[P2P]分散ハッシュの匿名性について(回答編)

私は懸賞を応募する事が好きなのだが、なかなか当たらない。ところが、アサヒビールの発泡酒のモニターに応募したら、「本生オフタイム」が1ケース当たった。(もっともこれは5万人に当たるのだが。。)
飲んだ感想は後味がすぐ無くなる感じで清涼飲料に近いかなと思った。ビールという感じは普通の発泡酒よりも苦味がかなり少ないのでビール独特のあの苦味が嫌いな人には良いのかもしれない。どんな食事にも合うと思った。

さて、Ringochの掲示板に私宛に質問があったので回答したいと思います。(基本的にはRingochなどの質問にも当Blogで回答したいと思います。)

>HPで紹介している「WEB匿名分散プロキシ」の項で、「ノードYはだれからurl_1にアクセスするように要求されて
>いるかわかりません。」とあります。これは確かにおっしゃるとおりだと思いますが、Chordを使う場合、この方法
>ではノードXの匿名性を確保しきれないような気がします。

確かにChordの場合、一番最初の処理で最悪の場合ハッシュ空間における右回り半分まで距離を縮められますからある程度どのハッシュ空間の範囲からアクセスしているかは判明します。でもこの程度であればハッシュ空間が充分大きくて(通常、ハッシュ空間は2^120程度)参加しているノードが多い場合、匿名性はあまり低下しないのでは、と個人的には思っています。Chordであってもこの方法では何個のノードを経由しているかわからないので、これ以上の情報は漏れません。CANやPastryであれば今回のような問題は生じないでしょう。

分散ハッシュ自体には基本的には匿名性を考慮されてない場合が多いです。しかしながら分散ハッシュの匿名性を強める研究は行われているようです。私も不勉強なので詳しくは紹介できませんが、そのリストを載せておきます。私もいずれ、勉強してBlog等で紹介したいと思います。

・AChord (Chordを改良して匿名性を高めたものらしい。)
http://thalassocracy.org/achord/achord-iptps.html
http://thalassocracy.org/achord/achord-iptps.pdf

分散ハッシュとはあまり関係ないが、関連してP2Pの匿名に関するトピックを載せておく。

・P5(Peer-to-Peer Personal Privacy Protocol,バイナリーツリー+公開鍵方式を使うらしいが。。。スケーラビリティーは良いらしい。)
http://www.cs.umd.edu/projects/p5/p5.pdf

・Tarzan(Mix-netの原理を利用するようだ。Mix-netのP2Pへの適用はHPにも書いてあるが、どの辺が違うのか見てみるか。。。)
http://www.cs.rice.edu/Conferences/IPTPS02/182.pdf

ちなみに今回参考したサイトは
Peer-to-Peer Online Resource
です。

もう一つ情報。P2Pでネットストレージを行う動きあるようですが、分散ハッシュでそれを実現する論文があるので紹介します。
PAST(分散ハッシュPastryを使う)
OceanStore(分散ハッシュTapestryを使う)

来週からこの辺りも勉強せねば。。。

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