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2004.03.12

ロボットと楽器

今日はバッハのバイオリン協奏曲第1番第1楽章の本格的な譜読み。2nd,4thポジションのところが、かなり怪しい。明日はバイオリンのレッスン日なので早く起きてたっぷり練習しないと。

さて、先日こんなニュースが流れたことは多くの人が知っているかもしれない。
「トヨタ初のロボットを発表 2足歩行型や搭乗型も」
このニュースを見ると、トヨタもついに2足歩行に成功したか、と思うだろうが私はむしろロボットにトランペットを吹かせることができたというところに非常に驚いた。

トランペットを初めとする金管楽器は唇を震わせて音を出す。今回のロボットは人工唇を使って音を出すらしい。TVで実際の音を聞いたのだが、なかなかの音であった。ちなみにあの音を初心者が出すのには最低1年ぐらいはかかると思う。私は中学ではユーフォニウム、高校ではホルンを吹いていた経験があるので、このような技術が出ることは非常に感慨深い。

さて、金管楽器を演奏する時の大変なことの一つとして、高音を出すことが挙げられる。高音を出す時には唇を緊張させる必要があるので、ずっと高音を出すことは非常に疲れ、プレイヤーとしては困難なことである。このような人工唇を使えば楽に高音が出るので、将来作曲家が「ロボット用」のトランペット協奏曲を作るかもしれない。

こんなことを書くと、そんなことはないでしょうと思うかもしれないが、実は現代音楽家で有名なリゲティが面白い曲を作っている。リゲティの名曲「練習曲集 第2巻」においてプレイヤーズピアノ(自動ピアノ)のための、ただし人で演奏しても可(笑)という曲がある。当初人間に弾かせようとしたのだが、あまりにも要求が無茶すぎる(人間が弾けるスピードではなかったらしい)ので結局自動ピアノのための曲になってしまった。といってもこの曲を人間が弾いた録音があるのも面白い。ちなみにメキシコの作曲家ナンカロウは人間では弾けないような曲、自動ピアノのための一連の作品群を作って、高い評価を受けている。

今、挙げた自動ピアノとは人型ロボットがピアノを演奏しているのを指しているのではない。ただ、人型ロボットがピアノを演奏することは、つくば万博で既に行っている。そうなると、バイオリン弾きの私にとっては、人型ロボットが果たして弦楽器を弾けるのか?ということになる。ハープのように音階と弦が決まっているものであれば何とかなるかもしれない。ただし、バイオリンの場合、まず弓を使うためにしなやかな関節がある必要がある。すなわち指、腕の自由度をかなり多くする必要がある。また、弓の位置、弓を押す力、弓の傾きによって音色が大きく変わってくる。これを実現するためにはかなりの研究が必要だろう。ただし、弦を押すことはロボットの方が早くて正確にできるので、ロボットならではの曲が作られる可能性はある。

そのうち、オーケストラといったらロボットが全て演奏する時代も来るかもしれない。でも演奏が正確すぎて面白くないだろう。(もっとも指揮者の意図を100%汲み取ることはできるかもしれないが。笑)なによりも非常に難しい演奏をノーミスで行うかどうか冷や冷やしながら聴く、あの緊張感も聴衆の楽しみの一つだから。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

ロボット関連の記事を2題TBさせて頂きました。よろしくお願いします。

投稿: メジロ飼い | 2005.11.14 13:30

現代音楽の掲示板のほうに、ときどき書き込みをさせていただいていたKです。お久しぶりです。
ロボットによる楽器の演奏、科学的な意味では人体の動きを再現する面白い試みだと思いますが、それが人間の音楽家を置き換えるほどには、やはりなれないと思います。

最近よく考えるのですが、「musicality」というのは何なのだろうなあ、と。単に音符を正確なトーン、リズム、強弱で弾くことが、エキサイティングな演奏につながるとは限らない、ということ。それを超えた何らかの要素が生演奏には必ずあって、それは科学では捉えきれないものかなあと、思います。きのうのNYタイムズに「Perfectly Executed, but Without a Spark」と題して丁度タイムリーな批評が出ていました。メトロポリタン・オペラの楽団員からなるアンサンブル(ジェームズ・レバインがヘッドとして参加)がカーネギー小ホールでの演奏会で、メシアンの「時の終わりのための四重奏」を演奏したらしいのですが、堅苦しいまでに完璧な演奏が、決定的に退屈で、この曲の核を何も伝えなかった、という批評です。演奏者の技術的レベル、演奏者間のコミュニケーションには全く問題がないはずなのに(むしろ演奏者としてはもっともコンピューター、ロボットに近い人たちかも)、この批評というのはとても面白いと思います。勿論一人の批評家の意見ですが。彼は、去年の10月にうちのだんなのアンサンブルがこの曲を演奏したときに、手放しでほめてくれた人なので(そのときは「この曲の精神的な威厳を十分に伝えた」と言ってもらいました)、その対比がとても面白かったです。人間の感覚というのは不思議なものですね。将来、人間は科学に残された最後のフロンティアになるのかなあ、なんても思います。

投稿: K | 2004.03.17 01:00

morishitaさま:
コメントありがとうございます!私は大学オケ入ろうとしたときにヴィオラを一時期しようと思っていたんです。今レッスンを受けている弦楽アンサンブルではヴィオラが少ないので、ヴィオラもやりたいなと思っています。

今は1の指だけでポジション移動してスケールを弾く練習(つまり1~8ポジの移行の練習)をしています。これがなかなかピッチが不安定で大変です。

>それが生演奏の厚みだと思ってますので、コンピューターの完璧な演奏。というのは聴いててつまらないと思います。

確かにその通りだと思います。もちろん、各楽器毎に少しずつピッチを変えて音の厚みをまねることはできるでしょうが。でも楽譜を解釈して、それを自分の音にするということは演奏している方にとっても聞いている人にとっても楽しいですよね。このようなことは当分ロボットではできないしょう。

ただ、楽譜を読んで、それを分析して自動演奏する研究というのもされているようです。


投稿: Tomo | 2004.03.14 10:32

バイオリン4thポジション。難しそうですね。
ビオラ弾いてますが、3thが限界です。
#しかも邪悪な音程。

ロボットが演奏する。とのことですが、
微妙だと思います。
やはり、人によっては441Hzで演奏したり
僕みたいに酷かったら440Hzで演奏したりフライングして出たり。
それが生演奏の厚みだと思ってますので、
コンピューターの完璧な演奏。というのは
聴いててつまらないと思います。

投稿: morishita | 2004.03.13 13:39

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