« ガーラでスキー | トップページ | P2Pとファイアウォール(メモ) »

2004.02.22

新国立劇場:スペインのきらめき

今日は新宿初台の新国立劇場に行ってきた。タイトルは「スペインのきらめき」で、印象派のラベルのバレエとオペラの同日で一緒にやってしまうと言うユニークな企画だ。

オペラ歴というと今まで1回しかない。過去1回だけしか見たことないオペラは高校生の時に地元のホールで上演されたモーツァルト「ドン=ジョバンニ」であった。しかしこれには問題があった、というのは当時モーツァルトは私が大嫌いな作曲家の一人であったし(ピアノの練習で彼の曲を多く練習していてうんざりしていた。今はモーツァルト嫌いは多少改善している。)ドン=ジョバンニについて事前に予習していなかったのだ。パンフレットにオペラの大筋も書いてなかったのも印象を悪くした一員である。結局、途中で興味がなくなり、うとうとしてしまったのだ。どうもこれ以来オペラにはあまり興味がなかったのだ。

では、なぜ今回わざわざ新国立劇場に足を運んだかと言うと、2つ理由がある。一つ目は私の好きなラベルの曲の演奏されることである。モーツァルトと違って、途中で飽きる事はないだとうと思ったのである。もう一つはバレエが上演されること、特に曲目に「ボレロ」があったことである。ボレロのバレエは1回見たことがある。それは東京文化会館で都響年越しカウントダウンコンサートでのことでる。その時の振り付けは確か、最初男性に追随していた女性が最後には男性を従える、そんな感じでユニークだなと思った。今回もどのように振り付けをするのか楽しみであった。

新国立劇場で当日券を買うために早めに到着。C席でほぼ中央の席が余っていたので迷わずチョイス。C席は4階なのでステージから遠いと思われるが、これが意外に良く見える。また、上から見下ろせる位置なのでバレエなどで全体空間を把握したり、オーケストラピットでどんな楽器が演奏しているか見るのも楽しい。気軽に安い席に座るのも楽しいものである。なお、Z席というのもあって、これはC席よりさらに安く買えるので、オペラやバレエってどんなものかとりあえず見てみるかという人には良いかも知れない。

さて、オペラの方であるが上演されたのは「スペインの時」。一幕の喜劇でオペラ入門には丁度いい時間と筋書きである。登場人物も5人しかいなく、非常にわかりやすい。オペラを最初に見るにはまず、こういうものから見たほうがいいのではないのかなって思ってしまうほど面白い。少なくとも長年のオペラアレルギーをかなり和らいでくれた。さすがはラベル大先生。

実を言うとコンサートの前に新国立劇場の4階にあるビデオライブラリーに行っていたのだ。ここにはオペラや演劇に関する雑誌があり、そこに今回のパンフレットもあったのだ。それを事前に読んでいたので筋はだいたいわかっていた。パンフレットを買おうとすると800円するので、そんなとこに出費したくないなと思う人は事前にビデオライブラリーに行く事をお勧めする。全然話が変わるが、新国立劇場のレストラン「マエストロ」のランチはお勧め。コースは1500円から数種類あり、味も満足できる。比較的空いているので、マチネの場合には早く行ってランチを食べるのはいかがであろうか?

さて、後半はバレエである。まずは「ダフニスとクロエ」これは第2組曲がコンサートでも良く演奏され、第一曲目の「夜明け」を表わす部分がラベルならではの天才的なオーケストラレーションで有名である。しかしながら、管楽器が細かく動き、それが複雑に絡み合うので演奏する方は大変である。演奏は見事でコーラスも迫力があった。特に面白かったのが振り付けで、あるグループが規則的に方向を変え、そのグループ間が交錯する部分があって、それが見事に均整がとれていたので、よくまあ、こんな複雑な動きができるもんだなと感心していた。

最後はお楽しみのボレロ。もちろん振り付けの楽しみもあるのだが、ここでのポイントの一つはトロンボーンのソロである。それまでにまったくトロンボーンには音がなく、このソロではいきなり基準音の1オクターブも上の音が出る。これはトロンボーンにとっては苦行で、トロンボーンの曲でも難しいことで有名である。さてどうなるものか,,,

ボレロでは時間を表わす「時計」がダンサーによって多数運ばれてくる。これはオペラ「スペインの時」と密接な関係がある。なぜならオペラは時計屋で繰り広げられる恋人の話なのである。まず、トロンボーンのソロでひやひやしていたが、これは無事に終了。ソロの方、お疲れ様でした♪ボレロの振り付けであるが、かなり抽象的なものであった。ただ、ボレロは規則的な音楽なので、アブストラクトな運動にも非常に合いやすく、これには特に違和感はなかった。面白いと思ったのが、舞台装置である。後方に半透明なチューブが数本立っていて、これに大きな玉が運動している。ボレロの最後に玉が一気に落ちるのは効果的だった。

オペラが今まで好きでないので新国立劇場に行く事は敬遠していたが、今回の件でオペラアレルギーも改善されたし、安い席でもそれなりに良くステージが見えるので今度は仕事帰りにでも寄って見ようかなと思う。来週にはR=シュトラウスのサロメ、来月にはワーグナーの神々の黄昏があるので今から楽しみだ。

|

« ガーラでスキー | トップページ | P2Pとファイアウォール(メモ) »

音楽」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 新国立劇場:スペインのきらめき:

« ガーラでスキー | トップページ | P2Pとファイアウォール(メモ) »